今回の改訂で、「リスクマネジメント」の要求事項が課せられた。ISO14001や27001ではもともとこれに近い要求事項があり、考え方はほぱ同じである。ISO14001では著しい環境側面の特定が相当し、27001では「リスクアセスメント」がそれに当たる。ISO9001にはこのリスクマネジメントの考え方は今までなかったので、9001だけの仕組みの組織は本要求事項について戸惑いがあるかもしれない。 さて、「リスク」という用語は現代の世の中ではかなり一般的に使われるようになってきた。何かこの先問題が起こりそうなことを想定する場合に使われているが、一般的には「思わしくない事象」を想定している。気候変動や地震、台風などの自然現象に始まり、身近では交通事故、盗難、通り魔、病気など、人々は日常リスクに囲まれ生活しているともいえる。一方リスクには「思わしくないリスク」と「好ましいリスク」もあると要求事項ではされている。好ましいリスクに対して「機会」という用語が使われているが、少し馴染みがないのが正直な気持ちだ。もっともISO14001では似たような考え方があった。「著しい環境側面」を特定する際に、環境に悪影響を及ぼす要因のほかに、環境によい影響を与える要因も調査して取り上げたはずである。このように考えれば、「機会」という用語の意味も理解できよう。

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152号