ISO9001・ISO14001 2015年版について

◆統一化を図る

ISOマネジメントシステムの規格の構成をすべて共通化しました。例えば、2008年版QMSは8箇条、2004年版EMSは4箇条で構成され規格によってバラバラになっていたものを、2015年の改正でISO規格すべてを10箇条構成(HLS)に統一化しました。
〔ISOマネジメントシステム規格の整合性確保のための箇条の基本構造、High Level Structure-HLS-と呼び、上位構造と言う。〕
この改正により、P.D.C.Aがより回しやすくなりました。

◆実態との乖離を無くす

 ISOの仕組みを単に認証のため、審査のため(いわゆる看板)に構築するのではなく、組織のために構築することをより強く求めるようになりました。具体的には、組織の目的及び戦略を明らかにした上で、それらに影響がある組織の外部及び内部の課題を明確化すること、そして事業プロセスとしっかりと統合した運営が出来るようになりました。

◆リスク及び機会への取り組み

 リスク及び機会への取り組みをすることにより、従来の対応に足らないことがあれば補足することで対処できることです。
 リスクとは、何か悪いことが将来のある時点で起こる可能性。また期待されることから好ましくない方向へ乖離する影響。リスクが存在することは、予防処置などの対処すべき機会でもあると言うことです。機会とは、期待されることから好ましい方向への影響。ISO9001、ISO14001では、「予防処置」という要求事項がありました。改正2015年版では、「予防処置」と言う要求事項が削除されましたがそれがこの項に対応します。

◆パフォーマンス評価の重視

 品質又は環境パフォーマンスの評価を行うことを要求しています。これは、組織が実施した結果(事業活動の成果)に対して、その出来映えや効果を評価するということがより明確化された要求事項となりました。特に従来の品質マネジメントシステムでは、「実態が少しも改善されない」と言う認証組織からの苦情に対応しました。

◆その他

  • 箇条が大幅に変更になりますが、要求事項そのものは大きくは変わりません。もっとも、従来より強化されたもの、より具体的にする必要のあるもの。また、要求事項は無くなったかのように感じられるほど軽くなったもの、別の表現が使用されたものなどがあります。
  • 2015年の改正点を、短絡的に述べますと、ISOの箇条を統一して複数の規格の統合がし易くなった。全ての組織に適用し易いように、より具体的な要求事項にし、特にサービス業にも対応し易くなった。トップマネジメントの関与を強化し、事業プロセスとの統合がし易くなったことです。

◆今後の対応

  • 2015年の改正では、以上のことを踏まえじっくりとシステムを見直し、より実態に近づけ、更に組織の向上につなげるように改善をしたいものです。
  • 新規取得希望の皆さまには、2015年版のサンプルマネジメントシステムが出来ていますので、いつでも取り組んで頂く事が出来ます。従来以上に、より効果のあるマネジメントシステムが出来、運用がし易いシステム構築が出来るよう、取り組んでまいります。

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